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「マネーは何のためにあるのか」 [ベーシックインカム]

下の記事は、「ベーシックインカム・実現を探る会 
BIメールニュースNo.087 2011.2.26発行」からの転載です。


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【2】関曠野さんの講演録が公開されました
「ベーシック・インカムについて考える」─ マネーは何のためにあるのか ─
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2010年12月27日、Spaceカンバスにおいて、TAGTAS/FORUM第三期レクチャーの一環として開催された関曠野さんの講演「ベーシックインカムを考える ─ マネーは何のためにあるのか」の講演録が、ベーシックインカム実現を探る会のホームページに公開されました。
http://bijp.net/transcript/article/248

ベーシックインカムが財源論から政治論へと進化を遂げる過程に入った記念碑的講演で、具体的にどのような方法で実現していけばいいのかを探るときに、必ずこの講演録が参考資料になります。

関さんが2年前から提唱していた社会信用論は、政党政治と租税国家の崩壊という現実を見据え、自治体銀行と、自治体の連合による国家というビジョンとなって結実しています。

「現在の日本では中央と地方の間に活断層が走っていて、それが今後のこの国の政治の震源になりそうです。これからは地方自治体が日本の政治の焦点になってくるでしょう。」という指摘は、すでに現在進行形で進行しており、関さんが提案する構想をもとに、個々人が推進していく力となることでしょう。


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「ベーシックインカムの実現可能性とその根拠~後編~」 [ベーシックインカム]

下の記事は、「ベーシックインカム・実現を探る会 
BIメールニュースNo.087 2011.2.26発行」からの転載です。

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【1】ベーシックインカムの実現可能性とその根拠~後編~
                             さとうしゅういち
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 日本の社会保障は、政治家や官僚が大手企業を保護すれば、企業が企業内福祉により社員をカバーする。また、地方自治体も大手企業を誘致することで、自動的に地域が潤う。こういうモデルを前提としていました。なお、現実には、地方の製造業などでも多くの女性が働いていたし、彼女らなしで日本経済は成り立たなかったのはみなさんも御存じでしょう。

 しかし、そういう仕組みは高度成長の終焉、さらにバブルの崩壊で機能しなくなってしまったのです。

 1990年代後半以降、とくに小泉時代には、円安誘導や労働者の使い捨てにより、アメリカ中国経由の間接輸出も含む)輸出に活路を見出そうとしたのです。だが、それも、小泉引退後に深刻化した経済危機であえなく崩壊しました。

 リーマンショック以降、記者の周りでも、「専業主婦をやめて大型店で働き出した」女性が多くなり、従来のモデルが完全に機能しなくなっていることを肌身で感じます。一方、若い女性の間では専業主婦指向は強まっていると言われている。ただ、これも労働環境の悪化による「職場への嫌悪感」が大きいのです。

 男性も専業主婦を抱えるだけの安定性とそれなりの収入があるのは大手企業正社員や正規の公務員くらいのものです。弁護士なども最近では若手では必ずしも儲かる商売ではなくなっているくらいです。従って、男女とも非婚化は進みます。そのことを年配者が怒っても仕方がないのです。

 筆者はボランティア活動中、小さな子どもが二十歳前後の両親とともに野宿を強いられているのを目撃し、言葉を失ったことがあります。そもそも、高校にいけないことで、貧困を強いられ、それが子ども世代にも波及するという構図もでている。だから、「高校無償化、子ども手当」は悪い発想ではない。むしろ、規模も範囲もしょぼすぎることが問題なのです。

 高校無償化も授業料だけでなく、通学費やPTA会費などの負担を減免するようにしないと、中流以上の家庭と低所得家庭の格差はかえって拡大します。子ども手当も、そもそも、経済的に苦しくて結婚さえ二の足を踏む人には意味がないのも事実でしょう。

 ここまでくると、思い切って「教育は完全に無償化。それから、ベーシックインカムを全ての人に保障する。」。それくらいした方がいいでしょう。

 党派に囚われず、ベーシックインカムの議論を広げて行きたいものです。いわゆる左派には「生存権保障」という観点から理解を頂く。右派には「経済がこのままでは需要不足で持続不能」という観点で理解を頂く。そういうことが必要でしょう。

<さとうしゅういち氏 プロフィール>
「政争より県民の生活が第一。『わたしたちでつくる』日本、そして広島県。あなたにもいきる権利がある。」を信条に広島県で活動している。

人気ブログ「広島瀬戸内新聞主幹」
http://hiroseto.exblog.jp/

ツイッター
http://twitter.com/hiroseto


ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/


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「ベーシックインカムの実現可能性とその根拠~前編~」 [ベーシックインカム]

下の記事は、「ベーシックインカム・実現を探る会 
BIメールニュースNo.086 2011.2.19発行」からの転載です。

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【1】ベーシックインカムの実現可能性とその根拠~前編~
                             さとうしゅういち
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 もはや、ベーシックインカムを導入し、教育は完全に無償化してしまえばよい。
それくらいのほうが中途半端に「子ども手当満額支給」をめざしたりするより、却って政治的にも実現性があるのではないか。そのように最近では考えています。

 というのも、ここ数年、無条件に個人に一定の所得を保障するという、ベーシックインカム(基礎的所得保障)の議論がいろいろな人から出ているからです。

長野県中川村の曽我逸郎村長
http://www.vill.nakagawa.nagano.jp/intro/v_chief/026_20080604b.html

新自由主義の代名詞だったホリエモンこと堀江貴文氏
http://ameblo.jp/takapon-jp/entry-10178349619.html

 立場は違いますが、様々な人がそれぞれ狙いは違えど、ベーシックインカムを唱え出している。逆にいえば、それだけ、今までの社会保障制度が機能不全になっている。さらに、デフレが深刻になっている証左です。

 わたくし、さとうしゅういちは、(生存ユニオン広島としても)当面は一人年間百万円の政府紙幣を財源とするお金を給付するという案を提案しています。これは、昨年の「自由と生存のメーデー」で、「定額給付金百万円よこせ」というコールがあったことも念頭に置いています。

 また、「政府紙幣発行党」では、政府が日銀に通貨発行権を500兆円で販売。一人120万円を5年間給付する案を出しています。
http://homepage2.nifty.com/niwaharuki/text/touinbosyu-21.5.3.htm

 将来的には、もちろん、社会保障や税制を再整備することが必要です。このあたりは、田中康夫さんが指摘しており、国民新党(亀井静香さん)と共同で八月二十日、政府・民主党に提言しています。

「元気の出る日本再生」「二番底を防ぐ緊急処方箋」を内閣総理大臣へ提言!
http://www.nippon-dream.com/?p=665#more-665

 上記の要請書では、ベーシック・インカムの導入や「無利子・非課税国債」の発行、「休眠口座」預貯金の活用にも言及しています。

 それにしても、こういったベーシックインカムを求める動きが出てくる根拠は何か。それは、日本的開発独裁の終焉という点に根拠があるのではないかと思うのです。
(この稿続く)


<さとうしゅういち氏 プロフィール>
「政争より県民の生活が第一。『わたしたちでつくる』日本、そして広島県。あなたにもいきる権利がある。」を信条に広島県で活動している。

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「自立援助ホームの子どもたちとBI」 [ベーシックインカム]

下の記事は、「ベーシックインカム・実現を探る会 
BIメールニュースNo.085 2011.2.12発行」からの転載です。

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【1】“働かなければ利用できない児童福祉施設”
                   ~自立援助ホームの子どもたちとBI
                                白崎朝子
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タイガーマスク現象も及ばない児童福祉施設がある。虐待などの理由から家庭で生活できない15~20歳までの子どもたちが働きながら一人暮らしに向けての生活を支援する『自立援助ホーム』である。

2008年晩秋。立教大学で開かれた『子どもの貧困』シンポジウムに参加していた私は、東京都内の自立援助ホームA荘のスタッフΤさんの発言に胸を突かれた。子どもの虐待に真摯に取り組む彼女の魂の絶叫に心揺さぶられた。その後、Τさんとは直接お目にかかれ、児童福祉の中でも、自立援助ホームがいかに厳しい状況かを伺った。虐待が長期にわたり発見されず、より深いトラウマを抱えた子どもたち。
虐待の酷さゆえ、養護施設にも学校にも適応できず居場所も無くした子どもたちにとって、自立援助ホームは最後の砦となっているという。

“働かなければ利用できない児童福祉施設”(※)である自立援助ホームでは「社会人と同様の労働と責任」が子どもたちに課せられる。寮費3万円を払い、なおかつ社会保険料や税、医療費など生活費用も全て自力で稼がなければならない。
故に病気になっても売薬で我慢する子どももいるという。同じ15歳でも養護施設で高校に通学していれば医療費も日用品も公費から賄われるのにだ。虐待されトラウマやPTSDなどを抱えている子どもたちが、社会からの保護もなく、労働と課税責任だけは課せられていると聞いて、親と社会からの二重の虐待ではないかと強い怒りを覚えた。

自立援助ホームのスタッフたちは子どもたちが規則正しい生活を送り、働いて寮費を納め、やがて地域で自立できるよう、きめ細やかな支援を目指しているという。
Tさんの話を聞いてから、人が経済的に自立できるためには、身心の健康、周囲の見守りや暖かい愛情が必要不可欠であると改めて痛感した。特に、虐待された子どもの場合は、その恢復(回復)をサポートし、子どもたちの魂に寄り添える支援が必要不可欠だ。

Tさんの情熱に深く感銘を受け、私も自立援助ホームに辿りついた子どもたちが、未来に希望をもって生きていけるような社会を創りたいと心から思った。

だからこそ、BIの議論では、自立援助ホームで暮らすような子どもたちの存在を抜きに語ってはならないと痛感している。私が時に反対派よりも、推進派の議論に怒りを感じるのは、推進派がそういった切実な被虐待児童の存在にどれだけ目を向けているのか…といった議論の内容や試算の仕方だからである。自立援助ホームの子どもたちの状況は、紛れもなく構造的な虐待である。また現行の福祉施策が介護から保育、障がい者福祉に至るまで壊滅的な様相を呈しているのは1990年代の新自由主義による社会福祉基礎構造改革が原因だ。

自立援助ホームを利用する子どもたちの親も階層問題の犠牲者であり、貧困の中で児童虐待に追い込まれている場合が多い。自力では抜け出せない貧困の中で、子どもたちを虐待していたのだろう。

BI実現の議論にあたっては、虐待加害者が子どもからの経済搾取の道具としてBIを利用しないような対策を充分考慮しなければならない。でなければBIは新たな児童虐待を生み出す可能性もあるだろう。児童虐待に目を向けた切実な議論の必要を感じている。

※『季刊福祉労働』2010年秋号「自立援助ホームから見た子どもの虐待、虐待を受けた子どもの支援とは」(高橋亜美)より


<白崎朝子氏 プロフィール>
介護福祉士・ライター
著書『介護労働を生きる』(現代書館刊)他。安全な労働と所得保障を求める女性介護労働者の会メンバー。カナリアネットワーク、ベーシックインカムを考える会主宰。現在、『ベーシックインカムとジェンダー(仮題)』現代書館のコーディネーター&執筆者。

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「オレゴン州立銀行への動き」 [ベーシックインカム]

下の記事は、「ベーシックインカム・実現を探る会 
BIメールニュースNo.084  2011.2.5発行」からの転載です。

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【3】BIニュース 
 オレゴン州立銀行への動き
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先週の記事ではワシントン州議会が州立銀行に関する法案を提出したことをお知ら
せしましたが、オレゴン州議会でも2011年の早い時期に、オレゴン州立銀行設立の
法案が発表される予定があるようです。

Push begins to create an Oregon State Bank
(オレゴン州立銀行設立を促進する動きが始まる)
http://tinyurl.com/4mrjut5

法案全文 House Bill 2972
http://tinyurl.com/48maejr


上記の記事にもありますが、オレゴン労働者家族党がポートランド州立大学と共同
して設立する組合が、オレゴン州立銀行の母体となります。

オレゴン労働者家族党
http://oregonwfp.org/

ポートランド州立大学
http://www.pdx.edu/


先週お知らせしたワシントン投資信託と同じく、モデルはノースダコタ銀行で、地
域経済を発展させる役割を目指しています。

また、オレゴン州立銀行に向けて活動する組織のサイトは下記にあります。

Oregonians for a State Bank
http://oregoniansforastatebank.org/

Oregonians for a State Bank(Facebook)
http://www.facebook.com/oregonstatebank?v=wall


それにしても、アメリカの地方自治では、議員や行政以外にも立法の担い手が多々
出てくるのですね。



ノースダコタ銀行に関する記事の日本語訳をみつけました↓

ノースダコタ銀行について:州外からの支配ー経済的植民地主義 / プレーリー・パブリック・プロダクション(みんなの翻訳 1/28)
http://trans-aid.jp/viewer/?id=14372&lang=ja
ノースダコタ州立銀行 アメリカ唯一の“社会主義銀行”が景気低迷のなか繁盛している(みんなの翻訳 10/2/16)
http://trans-aid.jp/viewer/?id=13453&lang=ja




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「もし電子書籍ができたら」 [ベーシックインカム]

下の記事は、「ベーシックインカム・実現を探る会 
BIメールニュースNo.083  2011.1.29発行」からの転載です。

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【1】もし電子書籍ができたら
        ベーシックインカム・実現を探る会 主任研究員  古山 明男
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 ベーシック・インカム(以下BI)が必要になるもっとも大きな要因は、科学技術の
進歩であると思う。

 最近の身近な技術革新の中に、考えさせられる例がある。電子書籍である。電子
書籍が普及すると、雑誌や書籍が情報化され、「本を買う」ことは「内容をダウン
ロードする」ことになる。すべての本が電子化することはないだろうが、かなりの
本が置き換わるだろう。

 消費者にとってはありがたい。本は安くなるであろう。本の品切れもなくなるし、
置き場所に困ることもなくなる。
 しかし、電子書籍化で失業者がでる。印刷業界の仕事はかなり減るだろう。製本
業界は大打撃を受けるだろう。製紙業にもかなりの影響がでるだろう。書店も減る
であろう。

 電子書籍機器の製造・販売、システムの維持などで増える雇用もある。しかし、
失われる雇用の方が大きいだろう。電子書籍は、現在の電器メーカーと情報産業が
ちょっと手を広げるだけですむからである。
 支払われる人件費の総額は減る。出版界全体としての売上げも減るし、GDPも
減る。

 技術が進歩したために、人間の労働が不要になり、失業者が出る。これは、産業
革命以来の問題である。多くの人が、技術の進歩と機械の発達に疑問の目を向けた。
しかし、機械に目をとられ、所得=賃金であることは疑われてこなかった。

 資源を浪費しないことと、人間を貶めない労働で生産をできるのはよいことでは
ないか。それが科学技術の成果である。しかし、いかなる社会体制であれ、人間が
賃金によってしか収入を得られないなら、人間の仕事を減らす機械は、人間の敵に
なるであろう。生活できない人がたくさんできる。その問題を解決するのがBIであ
る。科学技術と人間が共存するには、BIが必要である。

 だれでも生活できるように完全雇用を目指すというのが、従来の考え方である。
完全雇用を実現するため社会主義国は企業を国有化したが、非効率で自発性のない
労働がはびこり、国全体が倒産した。資本主義国は、効率追求を優先させるが、失
業者をたくさん生み出し、完全雇用には程遠い。

 BIは文明史的な意義を持っている。技術の進歩によって解放された労働力を、自
由にいかなる領域に振り向けることも可能になるからである。BIによってはじめて
我々は科学技術の果実を、社会にもたらすことができるであろう。


<古山明男 氏 プロフィール>

古山教育研究所を主宰
http://www.asahi-net.or.jp/~ru2a-frym/

ブログ「変えよう!日本の学校システム」は多くの支持を受けています。
http://educa.cocolog-nifty.com/blog/

2009年7月12日の当会主催の勉強会で「ベーシック・インカムのある社会」を講演。
講演録
http://bijp.net/transcript/article/91
http://bijp.net/transcript/article/98

ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/


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「ケア(依存労働)を支えるベーシックインカム(BI)がなければ法と正義も空虚な存在!?」 [ベーシックインカム]

下の記事は、「ベーシックインカム・実現を探る会 
BIメールニュースNo.082  2011.1.22発行」からの転載です。

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【1】ケア(依存労働)を支えるベーシックインカム(BI)がなければ
                       法と正義も空虚な存在!?
           ベーシックインカム・実現を探る会 代表 白崎一裕
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 前回は、「POSSE」所収の萱野論文に対する批判ということで書きだしてい
たが、自然法とベーシックインカムの問題を考えるなかで、エヴァ・フェダ─・キ
ティ著『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』(白澤社発行・現代書館発売)に
ふれたので、すこし萱野批判からは脱線するが継続して考えよう。キティは、『正
義論』のロールズの批判を中心に論理を展開している。ロールズの論理の中心にあ
る人間像というのは、自由で平等で責任ある選択のできる人間ということだが、そ
の一見、まっとうに思える「自由」「平等」についてキティは、彼女の提案する
「依存労働」という概念から「その『自由』『平等』って欺瞞じゃないですか?」
という異議申し立てをしているのだ(このキティの指摘は、従来の自然法概念を拡
張するものだ)。

 人間は、みな「脆弱で傷つきやすい」存在であり、そのことが、人々の道徳的意
識・義務の意識に強い影響を与え、その義務が社会や政治のありように大きく影響
するという。そして、どのような社会も、子ども、病気や障がいのある人、介護が
必要な高齢者などをケアする人がいなければ、まともな社会ではいられないともい
う。キティは、ケアされる人を「依存者」ケアする人を「依存労働者」として規定
して、ロールズらのとなえてきた「自由で平等で責任ある選択のできる人間」から
両者とも排除されてきたではないかと指摘している。特に「依存者を世話する仕事
・いとなみ」(dependency work)をする「依存労働者」の隠ぺい・無関心・道徳価
値の引き下げが、「依存労働者」を搾取される存在にしてきたと強調する。「依存
労働者」については、以下の注目される分析がされている。1、良いケアを受けた
いとする「依存者」のニーズと「依存労働者」に対して支払われる市場からの報酬
の不均衡、すなわち、市場では依存労働は十分に供給できない。2、依存労働は、
女性にかたよって労働分配され、また、従順で愛情形成を促すような性的ふるまい
を女性に強制してきたこと。3、「依存労働」が貧困女性や有色女性に強制されて
きたことと、白人中産階級は、「依存労働」を担うことを理由に「有償労働」から
排除されてきたこと。

 上記のキティの分析のうちBIがらみで重要なのは、「依存労働」が「市場ではま
かなえない」ということだ。そして「依存者」や「依存労働者」が尊重されない社
会は、ケアの社会に対する必然的存在からみて持続可能な社会ではないのである。
だとすれば、市場になじまない「依存労働者」をBIによって支え、そして、あらゆ
るケアの行為をBIによって支えることが、公正な社会の最低条件だということにな
る。

 「依存者」や「依存労働者」を排除し隠ぺいすることなく、「自由で平等で責任
ある主体」の欺瞞をあばいた先にある法と正義のありかたを求めること(ケア領域
を排除した自由で平等な主体はありえないということ)。そして「依存者」や「依
存労働者」が尊厳ある存在として生存できること。この二つの社会の基底部分に対
してBIは必然的に必要なものなのだ。しかし、銀行マネーがおおいつくす世界経済
には、世界全体のGDPの10倍もの負債が存在するとまでいわれている。こういう負
債を生み出すマネーゲームを放置しておきながら、社会にとってなくてはならない
ケアの領域を支えるBIを「財源がないからユートピアだ」というのは「犯罪的言
説」ではないだろうか?みんな、もっと怒っていいのだ。年末の関曠野さん講演会
の冒頭の発言にもあった「BIの政治化」ということを熟慮して、BIを実現する運動
をしたたかに・しなやかに持続していこうではないか。


<白崎一裕 氏 プロフィール>(第三土曜日執筆)
ベーシックインカム・実現を探る会 代表。
「とちぎ教科書裁判通信」
http://kazuhihi.blog39.fc2.com/

BS11動画映像 田中康夫 vs 白崎一裕 対談
http://bijp.net/data/article/182

12分レクチャー:白崎一裕「ベーシックインカムまるわかり」
http://bijp.net/data/article/145


ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/

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「地域的ベーシックインカムを考える」 [ベーシックインカム]

下の記事は、「ベーシックインカム・実現を探る会 
BIメールニュースNo.081  2011.1.16発行」からの転載です。

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【1】地域的ベーシックインカムを考える
      ベーシックインカム・実現を探る会 主任研究員 くまがい もも
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 「エンデの遺言」から12年、地域通貨は各地で取り組まれましたが今も続いて
いる地域通貨は数えるほどしかありません。それはなぜか?レインボーリングの創
始者である安部芳裕さんに聞きました。「地域通貨を使うようになると、お互いが
顔見知りになって仲良くなって、その結果、地域通貨を使う必要がなくなってしま
う」なるほどと思います。

 もう一つ地域通貨が発展しない理由に「みんなが持っていない」ということがあ
るのではないか。現在みんながお金だと認識している日本銀行券は「みんなが持っ
ている、使っている」ゆえに「信用」や「価値」が生じているのではないかと思い
ます。

 そこで、私は地域的ベーシックインカムを考えました。ベーシックインカムとし
て地域通貨をその地域の人々に、無条件で支給する。私が住んでいる滋賀県では、
琵琶湖の魚、新鮮な野菜や果実、質のいいお米、お酒、近江牛と思いつくだけでも
おいしい食べ物がたくさん作られています。地産地消、近江昔くらし倶楽部の小野
容子さんにそのアイデアを話したところ、それはいい!と賛同を得ました。

地域通貨でベーシックインカムを実現する!農家の野菜が地域通貨で買うことが
でき、また農作業の手伝いの賃金を払ったりすることができるようになるでしょう。
この通貨の裏付けは野菜になります(まだアイデアの段階の話ですが)。この考え方
に基づいて昨年、滋賀の地元で、お金の仕組みとベーシックインカムの勉強会を開
き、そこから発展して集まったメンバーで愉快村ネットワークというつながりを結
成しました。

テレビのニュースには大学3年生が内定をもらうために必死に焦っている様子が
映し出されます。今、生きていくためには、企業に雇用されて賃金を得なければな
らない仕組みの社会に私たちはいます。

お金は食べられないし、衣服や布団の代用にもならないし、雨露をしのぐ屋根に
もなりません。生きて行くのに本当に必要で大事なものは衣食住のはずです。本来
なら一番大事なお米や野菜を作る農業が経済では一番軽んじられています。それは
「儲からないから」。野菜や魚はすぐに腐ってしまうので、安く買い叩かれてしま
うのです。

命をつなぐ、大切な農業や漁業、畜産業は地方にあります。金融経済が崩壊すれ
ば、今使っているお金は紙くずとなり、大きな混乱が起きることでしょう。そうな
る前に、そうなったとしても大丈夫!と言えるような地域社会を作っていけたらい
いなと思います。


<くまがい もも 氏 プロフィール>
ベーシックインカム・実現を探る会 主任研究員
わが子の未来への危惧感から大学卒業以来久しぶりに筆をとり「マイちゃん銀行」
でお金に関する絵本を描き続け、2009年末『ベーシックインカムがわかる本
Q&A入門編』イラスト担当。三人の乳幼児を抱え奮闘中。

「マイちゃん銀行」
http://blogs.yahoo.co.jp/momo4ende


ベーシックインカム・実現を探る会
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"「主義」としてのベーシックインカム" [ベーシックインカム]

下の記事は、「ベーシックインカム・実現を探る会 
BIメールニュースNo.080  2011.1.9発行」からの転載です。

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【3】BIニュース 
「主義」としてのベーシックインカム
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2007年頃から他に先んじてベーシックインカムに着目していた山崎元氏が、標記の
タイトルで、ベーシックインカムの最新コラムを書いています。
http://diamond.jp/articles/-/10608

シンプルさ」「公平さ」「自由さ」「格差是正効果」「低コストな制度」という
ベーシックインカムのメリットを評価した上で、しかし、ベーシックインカムは実
現しないだろうというオチは、ユーモア精神の表れでもあるでしょうが、官僚の仕
事が減ってしまうからという根拠は妥当だと思います。

ベーシックインカムは、個人に力を与えることですから、官僚にとって仕事が奪わ
れるだけでなく、官尊民卑の風土が失われるようで何か不気味なものなのでしょう。
子ども手当についても、同様の根拠で擁護していた点も興味深かったです。

山崎氏は、ベーシックインカムそのものではなく、ベーシックインカム的な制度を
徐々に実現していけばというアプローチを提案していますが、今の子ども手当への
ネガティブキャンペーンを見ていると、いずれにしても、官尊民卑の風土を変えて、
個人に力を与えることを肯定する世論形成が必要であるように思います。



ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/

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「このメルマガへの寄稿を中断するにあたって」 [ベーシックインカム]

下の記事は、「ベーシックインカム・実現を探る会 
BIメールニュース イベント告知号No.037  2010.12.25発行」からの転載です。

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【2】このメルマガへの寄稿を中断するにあたって        関 曠野
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 このほど私はベーシック・インカムについては当分語らないとに決め、このメル
マガへの寄稿も中断することにした。これまで連載に付き合って下さった読者諸兄
姉に感謝したい。中断の理由は、今の世界恐慌がさらに深刻化し、政府通貨による
基礎所得保証という政策が抽象的理論的可能性ではなく、実際的で切実に必要なも
のとして世に認知される状況を待ちたいということである。そしてこの政策の実現
に対する唯一にして最大の障害である議会制と政党政治に対し人々が完全に幻滅す
るまでは、余計なことは言わないということである。

 日本でも海外でもBIはやはり福祉国家論の延長線上で論じられていることが多い
ように見える。そこから福祉と同じく所得税や消費税などによる税収がBIの財源と
される。こういう立場は現代の租税国家が恐慌にも関わらず今後とも存続可能であ
ることを前提にしている。だが私からみると、我々が目下直面しているのはこの租
税国家自体の解体の危機なのである。

 では近代の租税国家とは何か。この国家は絶えざる経済成長を前提にして設計さ
れた国家である。国家は市民から強制的に徴税するが、税収は経済発展の条件を整
備するために使われるので、経済成長が市民の福利や福祉をさらに充実させること
になり結局徴税は市民にとってプラスになるという理屈で税制は正当化される。も
し国家予算に比して税収が不足した場合には国家は銀行に国債を買ってもらって赤
字を補填するが、これは臨時的例外的な措置であり、もちろん将来の経済成長を前
提にしなければ国債の発行はできない。国や自治体が私企業のように事業の拡大を
目指してなどいないのに銀行に借金して利子を払うのはおかしいだろう。だから国
債の発行は財政上の一時的な困難に対処するためのあくまで臨時的例外的な措置な
のである。

 ところが1970年代以降の経済の低成長の中で先進諸国では国債による財政赤
字の補填が常態になってしまった。成長を前提にした国家体制から転換できなかっ
たからである。そのうえ90年代のバブル崩壊後の日本などは愚かにも国家主導の
経済成長を意図して土建型公共事業バラマキ財政をやったため国家の銀行に対する
負債は爆発的に増大した。これは自民党が成長型国家を維持するため、そしてバブ
ル破裂で破産状態になった大手銀行を救済するための政策だったと言える。

 そして負債に喘ぐ先進諸国の租税国家に対する止めの一撃となったのが、リーマ
ン・ショックを契機にした銀行マネーの世界的な崩壊である。各国の政治家は銀行
の利子経済の崩壊は経済そのものの崩壊を意味すると思い込み、国民の公金で事実
上すでに破産しているゾンビ銀行を支えようとした。その結果銀行の危機と国家の
危機は完全に一体化してしまった。今や各国の政府は銀行のエージェントにすぎな
い。例えばEUが財政的に破綻したギリシャやアイルランドに対して行った支援なる
ものは、両国の国民のためのものでなく、両国に貸し込んでいる独仏その他の大手
銀行を助けるためのもので、この支援の結果両国の国民は孫の代まで銀行の債務奴
隷として生き働くことになる。そして両国の政府がEUの大手銀行を債権者として納
得させるために打ち出した過酷な増税や緊縮財政は経済をさらに冷え込ませる。し
かもギリシャとアイルランドから搾り取ったマネーは結局ゾンビ銀行を立て直すこ
とはできない。70年代以来の低成長に代わって今は金融資本の破綻から生じた底
知れないブラック・ホールがあるのだ。

 いずれ国の税収のすべてが国債を買った銀行への利払いに充てられる日が来れば、
そこで議会制民主主義は終焉することになる。国家予算というものは無くなり、国
家はもう市民に何のサービスもせず、銀行への上納金を市民から取り立てることだ
けがその役割になる。もちろんこの極限状態に到る以前に租税国家は解体し始める
し、現に解体しつつある。


 では税金とは一体何なのか。現代経済は銀行マネーで動いており、銀行は私企業
としての利益しか眼中にないので、その融資が社会にどんな影響を及ぼそうがお構
いなしである。これでは社会は大混乱に陥るので、公共性を名分に掲げ社会を多少
とも安定させることで銀行マネーの支配を補完する副次的な通貨流通のシステムが
必要になる。これが租税なのである。だから順調な経済成長で銀行マネーが安泰な
時期には福祉国家が拡大するが、銀行マネーが揺らげば福祉や社会保障どころでは
ないことになる。そして租税国家は銀行マネーのサブシステムである以上、破産し
た銀行の救済に税金が投入されるのはある意味で”当然”なのである。

 それゆえに租税国家の危機を打開するためには、銀行マネーに代わる通貨体制を
構築するしかない。増税や緊縮財政はこの国家の自滅を促進するだけである。そし
て利子付き負債としてのマネーに取って代わるのは、政府が公共の福利のために国
民経済計算上の客観的根拠に基づいて無利子で発行する政府通貨である。連載で述
べたように、これについては、日本とドイツが政府通貨によって30年代大恐慌か
ら速やかに脱却できたという歴史的先例がある。 

 しかしここで議会制と政党政治が政府通貨の発行に対する唯一で最大の障害とし
て現れてくる。議会制は租税国家に適合した制度であり、そして会計としての国家
財政を前提に税の取り方と使い方をめぐる党派争いで政治家たちが野心を満足させ
ることが政党政治の存在理由である。しかるに国民経済の客観的な必要に基づいて
通貨が供給されるようになると国家財政の財源という問題は消えてしまい、政党は
存在する理由がなくなる。そこで必要とされるのは弁舌巧みな野心家ではなく良心
的で賢明な通貨管理のプロである。こうした改革に対してはどの政党も死に物狂い
で抵抗するだろう。

 それでも万が一議会制の枠内で政府通貨が発行されたら何が起きるか。政府通貨
は選挙で勝った党派が経済を私物化しその支配を永続させるために使われるだろう。
中国の人民元はそういう共産党の独裁の道具としての党派マネーであり、党のパワ
ーゲームのための通貨はウオール街のマネーゲームに劣らず歪んだ自己破壊的な経
済を生み出している。

 政府通貨が信認される根拠は政府の権威というより、その発行と使途の公共性に
ついての全人民の合意である。だから政府通貨の発行に際しては、国家予算の編成
の徹底的な民主化が必要になる。この民主化はそれほど難しくない。中央銀行と並
んで中央の政府を廃止すればよいのである。具体的に言えば、国家を自治体の連合
体として再組織し、各自治体が市民が参加して編制した予算案を国家信用局に提出
し、信用局が国民経済全体の視点からそれらを調整し統合すればよいのである。こ
の場合、信用局の主な課題はインフレの予防である。

 そして一度政府通貨が発行されたならば、生産と消費を均衡させ経済を安定させ
るために、政府通貨によるベーシック・インカムの保証は不可欠な政策になるだろ
う。

 私は12月27日に東京で「ベーシック・インカムについて考える」と題した講
演をすることになっているのだが、ここでは主に租税国家の解体を問題にし、ベー
シック・インカムは「まずBIありき」ではなく最後の結論として出てくるものであ
ることを強調したいと思っている。そしてこれ以後当分はBIについて語らないつも
りである。


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